タワーマンション

side…光

 

 

降りてきた拓也が
助手席に乗り込むと
力也が車を出発させた

 

 

 

「ついに…龍夜が堕ちたかもよ」

 

と俺が言えば

 

ソックリな顔で

 

「「えっ!!!本気??」」
見事にシンクロした双子

 

 

拓也に藤堂瑠羽について
軽く調べるように言うと

 

いつでも持ち歩いてる端末を
操作し始めた

 

「拓也 調べたら
龍夜のプライベートの方にメールして

 

力也 15分位で戻ると思うから
適当に流してまた来て」
そう伝えて割烹の前で車を降りた

 

玄関を入り女将に
15分位で出る予定だから
その時に土産の料理を受け取ると伝え

 

気はすすまないが
親父とお嬢の待つ部屋へ

 

 

「失礼します 戻りました」
中を見れば
傘下の組長は田代に飲まされたのか
真っ赤な顔で潰れる寸前…

 

女将が運んできた熱燗を受け取り
傘下の組長に酌してやる

 

田代が俺にも注いでくるので
わざと早めのピッチで飲めば
5分程で潰れた組長

 

 

しかし

 

 

空きっ腹に熱燗は結構辛い…

 

 

「お嬢 お迎え呼びますか?
それともコチラでお送りの車
用意しましょうか」
そう言った俺に

 

「若様の所に送ってくれるの?」
なんて返してくる

 

女狐がっ
お前を連れて帰ったりしたら
俺 絶対に龍夜に殺られるからね

 

「若は体調が優れないので
本家でお休みになられました

 

最近激務でしたから」

 

視界の隅で親父と田代が
笑いを堪えてるが…今は無視

 

「本家ねぇそれなら日を改めて伺うわ
迎えは近くで待機してるのでお気遣いなく…
今日は失礼します」

 

そう言って親父と田代の方へ身体を向け
「本日はありがとうございました
また若様のご都合のよい日にでも
父がご挨拶出来ず申し訳ございません」
挨拶をすると迎えを呼んで
数分でやってきた組の奴らに
組長を運ばせ帰っていった

 

やれやれ俺も帰らないと…

 

 

「親父 若がマンションの方で
食事を待ってますので
今日はこれで失礼します」
挨拶すれば

 

「激務からの体調不良で
本家で寝てるんだろ」
意地悪く笑う田代

 

「…空きっ腹に あれだけのピッチで
熱燗飲んだんですから許して下さい」
苦笑いの俺

 

組長と共に立ち上がりながら
「女将に追加の土産頼んでおくから
お前も持って帰って食えよ
食うのは 女じゃなく飯だぞ
ククッ おつかれさん」

 

ってこの人
優しいんだか厳しいんだか…

 

「ありがとうございます
お疲れ様でした お休みなさい」
苦笑しながら挨拶した

 

組長と田代を見送り

 

一人になった部屋で
タバコに火をつけ一息つくと
「失礼します」声と共に
お嬢に絡まれてた子が入ってきた

 

「ん…どした?」

 

「先ほどはありがとうございました
入ったばっかりで…
どうしたらいいかわからなくて…
助かりました」
クリクリの目でニコッと笑った

 

「いいえ 遅くまで大変だね
ってまだ若いよね 時間大丈夫?」

 

「あっ いつもは21時までなんです
今日も もう上がれるんで大丈夫です」

 

「そっか 家近いの?帰り危ないよ」
って俺が言うのも何だけど…
週末のこんな時間
繁華街にはろくな奴いないからね

 

「家は…自転車で30分くらいです」

 

「えっ…30分?しかも自転車って
それ危ないでしょ」
いやいやマジでこんな若い子
途中で襲われちゃいそうだよ

 

「あっ でも今日は
駅前のマンションに住んでる
友達の家に泊まらせてもらうので大丈夫です」

 

駅前のマンションって
龍夜の手がけた所しか無いんだよね

 

「そこの駅前?」

 

「はい あの綺麗なタワーマンションです
家が遠いの友達も知ってて
遅くなった時は泊まりにおいでって
言ってくれて…実は初めて行くんです」

 

「そうなんだ 俺もそこのマンション
行くんだけど一緒に車 乗ってく?」

 

「いえいえ 自転車もあるし
友達にまだ連絡してないし…
もし寝ちゃってたりしたら
家に帰らないといけないんで
本当に大丈夫です ありがとうございます」
ペコリと頭を下げた彼女

 

「でも危ないよ
自転車後で運ばせるから
一緒乗って行きなよ…

 

って…ごめん 俺みたいのが
こんな事言ったら怖いよね

 

女将に言っとくから次からは
もう少し早く帰った方がいいよ」

 

さて 俺も
龍夜の所 戻って 話し聞かないと