愛人の娘

2本目のビールを開けながら
俺達の事を知っているか?と
るうに聞くと

 

『ごめんなさい TVとか雑誌とか
殆どみないからそういうのに疎くて…』
と自嘲的な笑みを見せる るう

 

なんか勘違いしてるよな…

 

光の営業スマイルのせいか…

 

「TVにも雑誌にも出た事ねぇぞ」
俺が言えば

 

えっ?!と驚きながらも
顔を赤くして
『…龍夜さんも光さんも格好いいから
モデルか何かしてるのかと思いました』
そう言って笑ったるう

 

 

♪〜♪
響く着信音にるうを見れば
『私のじゃないから龍夜さん』

 

「悪い 確認するな」
そう伝えサイドテーブルに置いた
スマホを確認しに行くと

 

プライベートのスマホに
拓也からのメール

 

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光に頼まれて調べた

 

藤堂瑠羽 15歳 7月15日

 

父 藤堂保(とうどう たもつ)
母 藤堂葵(とうどう あおい)消息不明
父 保は藤堂ホールディングス代表取締役
現在 事業拡大の為 海外在住

 

小学校へ入学した頃から
藤堂ホールディングス現日本支社長
当時 藤堂社長の秘書だった
三上慶司宅(隣県)で暮らす

 

三上邸の隣
高山会組長 黒田満(くろだ みつる)の自宅
長男 黒田 蓮翔(れんと)高3 18歳
次男 黒田 隼翔(はやと)高1 16歳

 

隼翔と藤堂瑠羽は小中学校が同じで同級生

 

三上と高山組長は古い付き合いらしく
息子の蓮翔と隼翔が
小中学時代にイジメにあっていた
瑠羽を助けていた

 

瑠羽自身は告白されても
尽く断り続け男関係で噂になったのは
彼女を助けてた蓮翔と隼翔

 

この二人とは噂だけで
実際 付き合ってない模様

 

誹謗中傷
誰の相手でもしている
誰かの彼氏を寝取った
援助交際で稼いでいる
実は三上の愛人
高山組長の愛人
高山組長の隠し子

 

など多々あるが
どれも事実無根らしい

 

 

高校入学を機に
三上邸を出て一人暮らし

 

三上から瑠羽の一人暮らしの
話しを聞いた高山組長が
高瀬組のシマだからと
うちの親父に相談
三上の名義で龍夜のマンションを契約

 

今の所
出てきた情報はこのくらい

 

母親の事が気になるけど
葵って名前と消息不明って事以外
何も情報が出ない
↑必要なら本家戻ったら調べる

 

 

 

以上

 

 

 

 

 

龍夜 本気?
本気なら外野が騒ぐ前に
何かしら手を打たないと…
表の世界の子だしまだ15歳だからね

 

小中学のイジメとかの情報は
気になったら蓮翔か隼翔に聞いて

 

by拓也

 

 

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光は…
気付いたのか

 

 

指示してないのに仕事早ぇな…

 

 

 

 

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了解。母親の事はまだいい。
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それだけ返信した

 

 

 

やべぇな
出会ったばかりなのに
るうの事が気になって

 

るうの笑顔をみれば
俺まで笑顔になりそうになるし

 

るうが寂しそうな目をすれば
隣で支えてやりたいと思う

 

るうが欲しい

 

 

こんなに切実に“欲しい”
そう思ったのは初めてだ

 

視線をるうに戻し
話しを再開した

 

「るうはずっと
この辺りに住んでるのか」
拓也からのメールで知ってたが
るうにそう聞いた

 

『ううん。この春に
高校入学で初めてこっちに来たの
それまではここから
車で1時間くらいの
お隣の県のF市に住んでた』

 

「あの辺りだと高山のシマだな」

 

るうは驚いた顔をしながら
『高山会?蓮君と隼君の家と
住んでた家がお隣だったの
二人共いつも私を助けてくれたの
龍夜さん知りあいなの?』

 

「あぁ 俺は高瀬組の現組長の息子で
高瀬組 若頭 ちなみに光は俺の側近
力也と拓也も組の人間で
俺の下についてる

 

高山会は高瀬組の傘下で
組長の親父同士が仲がいいから
小せぇ頃から蓮翔と隼翔兄弟は知ってる
昔はよく遊びに連れてってた
助けてくれたってどういう事だ?」

 

『っあっ…その…』
泣きそうな顔で俺を見て固まる るう

 

「悪りぃ。話しづらかったら 話さなくていい」

 

テーブルの上に食べかけのアイスを置いて
自分の身体を抱きしめたるう

 

震えてるのか…

 

 

「こっち来るか?」
逸らすこと無く視線を合わせ
俺をジッと見てくる るう

 

「怖いか?

 

俺らは綺麗な事だけして生きてねぇ

 

やってる事は 汚い事 危ない事
人様に大きな声で言えねぇ事のが多い

 

わかってても
俺にはそれが生きてく道だ

 

ヤクザの

 

若頭の俺が怖いか?」

 

 

俺も目を逸らす事無く聞けば
ソファーから立ち上がり
一歩一歩 俺に近づくるう

 

 

座ってる俺の前に立ち
震える自分を抱きしめながら

 

『…怖くない

 

…蓮君と隼君も

 

優しい人だった』

 

 

「何で震えてる 何が辛い 俺の所にくるか?」

 

るうを見上げてそう問えば

 

るうの目から一筋の涙が零れた

 

 

 

それを親指で拭って
頬を手で包み込むと

 

るうは 未だ震える自分を
抱きしめたままで 言葉なく頷いた

 

 

 

そんなるうを

 

俺の腕の中に抱きしめた

 

 

 

小さな愛しい温もりを感じながら

 

「るう 離してやれねぇぞ」

 

気付けばそう言っていた

 

 

 

 

side…龍夜 end