彼の部屋へ

地下に着くと山口さんは
エレベーターを降りて
行ってしまった

 

私も降りた方がいいのかな
そう思って龍夜さんを見ると
「すぐ来るからこのまま」
って言われて
『はい』
って答えた…

 

すぐに山口さんが
金髪に近い綺麗なミルクティー色の髪を
オールバックにセットして
スーツを着ている
甘い顔をしたイケメンさんと
一緒に戻って来た

 

龍夜さんは
「るう これは力也
こいつも覚えておいてくれ」って

 

また覚えるんだ
って…さっきの拓也さんと似てる?

 

なんて思っていたら
龍夜さんは
「光 拓也も降ろすから
3人で行ってこい」
そう言って
エレベーターの扉を閉めてしまった

 

「突然色々言って悪かった
友達が来るまで 少し時間あるか?」
って聞かれて…

 

『まだ連絡ないんで大丈夫です』
そう答えると

 

「部屋で少し話したい事があるんだが
大丈夫か?部屋に俺と二人は怖いか?」

 

怖いくらい綺麗な顔で
漆黒の瞳に見つめられ…

 

怖いというよりは
何故かその漆黒の瞳が寂しそうに見えた

 

『大丈夫です
龍夜さんは怖くないです』
って言った私に

 

「そうか」
とだけ答えた龍夜さんは
少しだけ安心したような
笑ったような
そんな顔をしたように見えた

 

 

20階に着くと
拓也さんを呼んで
地下に行くように伝え

 

私を中に入れてくれた

 

 

 

 

 

side…瑠羽 end

 

side…龍夜

 

 

胸糞悪い女から逃れ
力也の運転でマンションに戻り
エレベーターで出会った少女

 

幼さの残る小さ過ぎる顔
意志の強そうな大きな猫目
綺麗な焦げ茶の柔らかそうな髪

 

細くて小さいこの少女は
俺と光に驚きつつも凛とした声で
しっかりとした答えを返してきた

 

るうと名乗った少女は
18階に住んでるらしい

 

18階の右の部屋は力也と拓也
双子の部屋にしようと思っていたが

 

車を置く都合で
本家の部屋に泊まったり
俺の部屋で待機していたりで
ここに部屋はいらないと言うから

 

空き部屋になっていたが
組長である俺の親父が何処だったか…
取引のある会社の支社長に頼まれて
貸出してたはずだ

 

繁華街も近いから
名義人のおっさんがイロの為に
用意したのかと思っていたがて…

 

幾つか聞いてみると少女 るうは
寂しげに瞳を揺らして
一人暮らしだと言う

 

 

寂しそうな るうが気になり
放っておけず…
18階で扉が開いた時に
何故か 引き止めてしまっていた

 

拓也と力也の顔を覚えさせ
まだ時間があると言うから

 

部屋に来て話が聞けるか?
俺と二人は怖いか?そう聞くと

 

真っ直ぐに俺を見て
怖くない大丈夫 行くと言う

 

20階に着いて拓也を追っ払い
るうをリビングに入れるため
待機部屋を抜けて
リビングへ続くドアの
セキュリティを解除した

 

フと振り返れば
ドアのセキュリティに驚いたのか
猫目が真ん丸になってる

 

 

「入れ」と言うと律儀に
『お邪魔します』と言って入ってきた

 

そしてリビングと
そこから下に向かう階段に
また驚いたのか
真ん丸な目で俺を見て

 

『凄い素敵なお部屋ですね
黒と瑠璃色』

 

「瑠璃色?」

 

『青です この青
私の好きな瑠璃色なんです』
なんだか嬉しそうにそう言った

 

「とりあえずソファ座れ 何か飲むか?」
冷蔵庫へ向かい開けてみるが…

 

酒しか入ってねぇ

 

未成年だよな…

 

下の奴に買いに行かせるか

 

「悪い アルコールしかねぇ
買ってこさせる 何 飲める」

 

『今 買ってきたのあるから大丈夫です』

 

そう言って
コンビニ袋を持ち上げたるう

 

缶ビールを取り出しソファに向かい

 

袋の中をゴソゴソやってる
るうを見ながら聞いた
「るう お前いくつだ」
『えっと…15歳もうすぐ16歳』

 

「高校行ってるのか?」
『高校1年です
すぐそこの高校
あっ…あのぉ アイス…』

 

「アイス食いてぇのか
買ってこさせるぞ」
『あっ…じゃなくて…
さっき買ったアイス溶けちゃう』

 

「冷凍庫入れとくか」
『はい お願いします
龍夜さんも食べますか』
ってなんだか沢山のアイス
を袋から出した

 

「友達たくさんくるのか?」
『えっ…1人だけ…
どれも美味しそうで
ついつい買いすぎちゃって』
そう言って笑ったるうは

 

一瞬だけ寂しそうな顔をして
『友達帰っちゃったら…食べきれない…』
そう…呟いた

 

その寂しそうな顔を見て
やっぱり放っておけない
そんな事を思った

 

「今 食うならそれだけ取って
残りコッチ寄こせ しまってきてやるから」

 

『龍夜さんも食べません?』

 

俺…アイスいつから食ってないんだ?
甘いの食わねぇしな…

 

聞いたのが光なら
蹴り付きで 食うわけねぇだろ
で終わらせるが…

 

「甘くねぇのあるか?」
なんて返しちまった

 

『ん〜 みんな甘いかも』
笑って アイスって甘いよね?
って首を傾げて俺を見てくる

 

「だな るうは食うのか?」

 

『これにする』
カップのアイスを取り出し
残ったアイスを袋に戻し
コッチはしまっておいて下さい
って渡された

 

アイスをしまいに行って
新しい缶ビールを持って戻ると

 

『ビールもう空っぽ?
凄いっ 早いですね 苦いんでしょ?』って
るうが真ん丸の目で微笑んでた

 

 

その笑顔に
柄にもなくドキっとして

 

それを誤魔化すように

 

スーツの上着を脱ぎソファーの背にかけ
タバコに火をつけた

 

座ってネクタイを外し
シャツのボタンを3つほど外しながら

 

「煙…タバコ…嫌か?」

 

今更な事を聞いた

 

 

アイスを口に運びつつ
『大丈夫です 引越す前に
周りの人が吸ってました』
と答えたるう