二人

5月になり
はるがバイトを始めた

 

 

私のマンションの近く
繁華街から一本裏に入った通りにある
隠れ家的な割烹のお店

 

 

いつもは
21時であがりらしいんだけど
忙しくてあがるのが
23時を過ぎる日もあるらしく

 

『遅くなる日はうちに
泊まりにきたら?』
って言ったら

 

「遅い時間に
自転車30分以上辛かったの
次 遅くなったら連絡して
行ってもいい?」

 

って言ってくれて

 

はるには悪いけど
なんだかとても楽しみになってしまった。

 

side…瑠羽

 

 

今日は月末の金曜日
22時を過ぎてもバイトが
終わらなかったら
泊まりに行ってもいい?
そう はるに言われ

 

早く終わったら連絡するから

 

22時までに連絡無かったら
泊まると思って
って言われていたので

 

22時を過ぎた今
連絡が無かったって事は
泊まりに来てくれるんだよね?

 

飲み物を確認しに冷蔵庫へ行ったら
水しか入ってない…

 

来ると思って買っておいて来ないと

 

昔を思い出して寂しくなるから
ギリギリまで用意はしないでいたけど…

 

携帯と財布それに部屋のキー
それだけを持って
隣のコンビニへ買いに行く事にした。

 

 

コンビニでお茶とジュースと
アイスとお菓子を買った。

 

なんだか嬉しくて買いすぎちゃった。

 

 

カードキーをさして
エレベーターを待っていると
ほどなくしてドアが開いた

 

引越してきてから
一度もエレベーターで
人に会った事が無かったから

 

エレベーターが開いて
人が乗っていた事にビックリして
固まってしまった

 

 

すると中から
笑顔の男の人に
「乗らないの?何階?」
そう聞かれた

 

 

『乗ります』
答えて急いで乗り込んだ

 

 

 

 

side…瑠羽 end

 

車体も窓も真っ黒のベンツ

 

 

後部座席でタバコを吸うのは

 

高瀬 龍夜(たかせ りゅうや)24歳
高瀬組 若頭

 

長めの漆黒の髪は今日は仕事の為
オールバックにしてある。
綺麗な二重に漆黒の冷たい瞳
185センチを少し超えた身長
長い手足に均整のとれた細身の身体は
一見モデルのようにも見える

 

 

しかし
纏うのは 黒

 

漆黒のオーラを纏い

 

人前で笑顔を見せる事は無く

 

人を寄せ付けない

 

 

 

 

 

 

 

助手席には

 

 

クリクリのどんぐり眼
茶色の柔らかなウェーブヘア
アイドルの様な笑顔
183センチの身長にこちらも
長い手足に龍夜よりは
少しガッチリした体格

 

龍夜と行動のほとんどを共にする
山口 光(やまぐち ひかる)24歳
高瀬組幹部 若頭側近

 

光もまた黒いオーラを纏うが
アイドル顔負けの笑顔で
それをグレーにも白にも変える

 

 

龍夜が本来の姿を見せる
数少ない友人であり仲間でもある

 

side…龍夜

 

 

 

しかし
今日の宴席は最悪だった

 

行きたくなかったが
仕方無く顔をだせば
組長である親父も来ていて
相手方の組の娘が
俺に擦り寄ってくる

 

胸糞悪い

 

濃過ぎる化粧に
1瓶浴びてきたのか?
そう聞きたくなるような
香水の匂い

 

飯なんて食えたもんじゃねぇ

 

 

相手の娘が
俺の太腿を摩ってきた事で
我慢の限界を迎えた俺

 

 

そこへ若い女が
光が女将に頼んだ水を持って来た

 

光が「そこのお兄さんに」
って俺に渡すように言うから
咄嗟に睨んでやったが

 

水を受け取り飲み干して

 

「気分がすぐれねぇ帰らせてもらう」

 

 

と一言残し部屋を出た

 

 

 

 

side…龍夜 end